2018-7-17

LINE友だち5000人芸人・カラテカ入江の コミュニケーション術

ITテクノロジーの進化とともに多様化し続けるコミュニケーションツール。

トラディショナルな電話やメールに加え、LINEにFacebook、InstagramといったSNSが登場し、世代やシーンで使われ方が異なるだけでなく、“シェアする”文化も定着した。
そんなSNS全盛の現代で、人とつながる、人をつなげるコミュニケーションテクニックに大事なものは何だろうか。

芸能界一の人脈を誇り、コンサルティング会社「株式会社イリエコネクション」を立ち上げ、人脈づくりやコミュニケーション術の講演を精力的に行うカラテカの入江慎也さんにお話を伺った。



LINEは“人の体温”が感じられるツール。自分だけのキーワードで管理する。

“友達5000人芸人”といわれている入江さんが、今メインで使われているコミュニケーションツールは何ですか?

LINEですね。5000人というのはLINEの友達の数の上限で、これ以上増やせないんです。そこらへんLINEさんになんとかして欲しいんですけど(笑)。電話番号や他のSNS、名刺を合わせると連絡が取れる人は1万人くらいですね。

FacebookやTwitterもアカウントはとっていて、自分も会社をやっているので、ビジネスで合う経営者の方はメッセンジャーで連絡が来ることが多いんですが、自分から使うメインツールはLINEです。
便利なのはもちろん、絵文字だけじゃなくてスタンプがあったり、他のツールより人の体温が感じられるのがいい。

LINEの連絡先はどのように管理されてますか?

交換して名前だけだったら後々わからなくなるので、登録名は自分のキーワードで編集してますね。たとえば西麻布のラウンジで出会ったかわいい子なら「○○○ 西麻布 ラウンジ かわいい」とか。
そうすると名前で覚えてなくても思い出せるから、検索する時かなり便利。キーワードは「社長」「かわいい」「後輩」「タレント」「モデル」「中目黒」とか。友達登録が多い人にはおすすめです。

意外にもバキバキに割れていた入江さんスマホ画面。LINEの友達は、「後輩」と検索すると29人、「社長」で429人ヒット。

連絡先をスマートに聞くテクニックは「仲介者」と「選択肢」がキーワード

入江さんの友達は大企業の社長からトップアスリートまでバラエティ豊かですが、どうやって連絡先を聞きますか?

自分と聞きたい人の間に立っている人につないでもらうことが多いです。たとえば横綱の白鵬関と仲良くさせてもらってますが、最初は近藤さんという方を介して会合に呼んでいただいたんです。
別れ際、白鵬関に「改めて御礼をしたいので近藤さんに聞いて明日ご連絡差し上げてもいいですか」って聞いたら「いいですよ」って。この方法なら本人の手をわずらわせないし、スマートに聞けますね。

「相手が帰りの車に乗る時とかがアプローチをするチャンスです」

あとは、選択肢で聞く方法。目上の方には「LINE交換してください」より「普段は何を使って連絡とられてますか?」って聞くんです。「LINEですか、メッセンジャーですか、メールですか?」って。それでLINEだったら「お聞きしていいですか」って流れで聞きます。

大事なのは最初から聞くつもりで物怖じしないこと。でも軽く聞くのとは違います。特にビジネスで合う人の連絡ツールは基本、会社のPCメールなので、LINEはその人に一歩踏み込むことになるんです。自分が起業してから実感しましたが、世間一般で言われているほどLINE交換は気軽じゃないと常々思っていますね。

なるほど。その選択肢の方法は、他のシチュエーションでも応用がききそうですね。

好きな女の子を誘いたい時もいいですよ。いきなり「ごはん行かない?」より「焼き肉とお寿司、どっちが好き?」って聞く。そのどちらにも、予約の取れない店だったり、武器になる情報を入れておいて、「焼き肉? 熟成肉がおいしい○○の予約あるんだけどいかない?」って自然な流れで誘える。女の子に限らず美味しいご飯を嫌いな人はいないですから、美味しいお店はジャンルもエリアも数が多いほど武器になります。自分がみんなの『食べログ』になればいいんです。

返信と御礼の細やかな気遣いが相手の心に響く

LINEのやりとりをする時の流儀はありますか?

人数が多すぎるので自分の中で優先順位をつけて返信します。それで、自分より目上の人にはプラス5〜7行で返す。自分が長めの文章送っているのに1〜2行で返されたらあんまりいい気がしなくて。
ただ、力士は指が太いから文字を打つのが面倒みたいで、みんな短い(笑)。自分は長いですけど、読みやすいように改行して送ることが多いですね。

後輩のバースデーに送ったLINE。「あまり先輩にはスタンプを使いませんね」

グループLINE機能はどういう風に使われてますか?

ビジネスだけですね。プライベートでも色々グループに入っていますが、使うのは会合の日時や場所の連絡と写真を送る時くらい。
幹事をやることが多いんですけど、グループLINEで「不参加の人だけ個人LINEに連絡ください」ってすると、「行きます」って打つ手間も省けるし、行かない人に気まずさがあった時に他の人に知られなくてすむのでいいですよ。

ただ、御礼はグループLINEだけだと気持ちが伝わらないと思うので、グループLINEでも送るんですが、翌日に個別LINEにも送りますね。
別れてすぐだと、手早く済ませている感じがするんです。自分の本にもよく書いていますが、朝は皆さん忙しいので、次の日の昼過ぎならちゃんと読んでくれる可能性が高い。

あと御礼でいえば、たとえば企業に行って社長を含む何人かと会った時は、社長本人ではなく社員さんを褒めるのがいいかもしれません。もちろんおべんちゃらではなく、本当に思った時ですけど。
「本当によくしていただきました」とか。自分も後輩を褒められたら、普段の教えとか管理能力が褒められている気がして嬉しいので。

「ビジネスで出会ってうちの会社にきてくださいって言うことは基本的にないですね。自分から会いに行きます」。一年の会食の数は400を超えるとか。

コミュニケーション力は「多くの人に会って話す」で鍛えられる

一度LINEでつながってから、つながり続ける為にしていることはありますか?

誕生日LINEですね。年に1度でも重ねれば重ねるほど意識してもらえる。あとアスリートの方とかは結果が出た時にLINEします。
こないだのロシアW杯の時も、酒井宏樹君とか何年も会ってないですが、選ばれた時に「おめでとう!」って送って。そしたら「ありがとうございます」って返事がきたり。

でも、返信はこなくてもいいんです。LINEは独り言くらいに考えてますから。返信がこなくてもクヨクヨせず「既読になっただけラッキー」くらいに考えた方がいい。ずっと既読スルーだったのに返信が来るようになった時が、相手の中で自分の存在が大きくなり始めた時ですから。

人と人をつなげることも多いと思いますが、大事にしていることは何ですか?

それぞれのメリットとデメリットですね。ただ、特別なことがない限り、紹介はリスクが高いのでしません。
昔からすごく仲良くしていただいている(放送作家の)鈴木おさむさんを紹介して欲しいってよく言われますが、まずしませんね。頼まれたわけじゃないですが、つないだのはおさむさんと白鵬関。ちょうど相撲の不祥事が報道されて落ち込んでいた時で、そこから人気を盛り返したので自分でも良かったなと思います。

「自分は、会いたい人を『紹介してください』ってお願いするより、『早く自分が同じステージまでのしあがろう』って常に考えてます。そうなれば自然と会うはずなので」

そういった縁を引き寄せる入江さんのコミュニケーション術の核ってなんでしょうか?

よく言いますが「相手ありき」の発想を大事にしてます。相手それぞれに対して自分は何ができるか。
例えば、今田(耕司)さんが、楽しく呑めるように後輩を紹介したり。「入江がOK出した後輩はみんないい」といってくださったり、ありがたいことに信用されています。

その信用は、何年も前から可愛がっていただいていたり、実際に会い続けて培ったもの。SNSがどんどん便利になっていますが、コミュニケーションの根っこにある一番大事なのは、今も昔も直接会うことに変わりはないですね。

入江さんが立ち上げた会社『イリエコネクション』の名刺の裏にも、このことば。

だから、講演やセミナーで必ず言うんですが、とにかく出かけて色んな人と会うこと。自分は人の紹介はめったにしませんが、紹介されたら時間の許す限り会いに行きます。「行った先になにかある」が基本。そうしないと何も始まりませんから。

「前に一度水没して履歴が全部なくなったことがあるので、LINEのバックアップはマメにとっています」

  • 入江慎也

    1977年、東京都出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。高校の同級生だった相方の矢部太郎とともにお笑いコンビ「カラテカ」を結成。お笑いライブやバラエティ番組に出演を続ける一方、ビジネス界やスポーツ界に幅広い人脈を持ち、3年前にコンサルタント会社「株式会社イリエコネクション」を企業。
    近年では講演活動で全国を飛び回り、人脈構築術やコミュニケーション術をビジネスマンに伝授。主な著書に『後輩力 凡人の僕が、友達5000人になれた秘けつ』(アスコム)、『使える!人脈力 「友だち5000人芸人」が実践する50の習慣』(新潮社)、「夢をかなえる営業力」(国際語学社)、『入江式 のしあがる力』(ゴマブックス)等がある。LINEの友だち人数は5,000人。
    twitter:@karatekairie
    Instagram:oreirie0408

TEXT:藤谷良介PHOTO:福田栄美子

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